水:【読解】江戸は貸本屋であふれていた! #878
1、次の文を音読しましょう。
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江戸は貸本屋であふれていた!
社会の教育レベルを測る一つの指標として、出版された本の数や売れた本の数があります。他国と正確に比較できる明確な数字までは残っていないようですが、この本の数においても江戸時代の日本は世界的に見て突出して多かったと推測されます。
日本の商業出版が始まったのは江戸時代初期に京でした。その後、大坂(今の大阪)や江戸にも広がり、漢籍、仏典、『太平記』などの軍記歴史もの、『源氏物語』など物語も多数出版されました。
大坂では井原西鶴の『好色一代男』などの浮世草紙と呼ばれる文芸形式の本、近松門左衛門の浄瑠璃本などが出版されて、広く町人に読まれました。多くの部数が販売されていることから価格も手ごろだったのでしょう。
柳亭種彦の『修紫田舎源氏』は、全部で38編ありますが、江戸ではそれぞれが約1万部売れたと言われます。江戸にはたくさんの読者がいたことになります。
江戸には、貸本屋が600以上もあったと言われます。また、京、大坂をはじめ各都市にも多数の貸本屋がありました。本を借りて貪り読んでいる人がたくさんいたのです。
封建制の時代は当然表現の自由は保障されていません。幕府を批判するようなものは当然ながら御法度。しかし、江戸時代より前の歴史物の出版には大きな制限はなかったと言います。また、物語・漢籍・仏典などは一般庶民の教養の向上に大きく役立ったようです。江戸時代は、「書物の時代」だったのです。
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2、ふりがな付きの文を読んで、読み方を確認しましょう。
また、重要語彙の意味も確認しましょう。
(PDF2−3ページ目)
3、文を見ないで音声だけ聞き、文全体の意味を再確認しましょう。
4、クイズに答えましょう。
5、宿題を出しましょう。
今日の宿題:
貸本屋を利用したことがありますか。
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