水:【読解】江戸時代の寿司は、重ねて積むのが常識? #838
1、次の文を音読しましょう。
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江戸時代の寿司は、重ねて積むのが常識?
浮世絵には親子とお寿司をモチーフにしたものがあります。歌川国芳の美人画『縞揃女弁慶』です。
袖にすがってお寿司をねだる子どもの様子とともに握り寿司が描かれています。
お寿司の部分に注目してみると、一番上にはエビらしき握り寿司があり、その下には卵でくるんだ巻き寿司のようなものがあります。少し見づらいですが、さらにその下にも押し寿司らしきものが乗っています。ここで不思議なのは、お寿司を縦に積んでいるところではないでしょうか。
これは偶然ではありません。他の浮世絵でも、お寿司は縦に積まれています。
末広恭雄の『魚づくし』という本でも、これは江戸期から明治にかけての東京の握りずしの盛り方の基本とされており、少なくても大正期までは「積む」というスタイルが取られていたと紹介されています。
では、当時なぜお寿司を積んでいたのでしょうか。大川智彦著『現代すし学』では、この積み方について解説しています。以下引用すると
(当時)握りずしはこのように積み上げるのが本筋であって、平面的に並べる盛りつけ(『流し積み』と呼ぶ)は、遊郭の料理屋やその界隈の屋台などいわゆる悪所でのやり方であったという。また戦前は「流し積み」を一般家庭に出前すると「堅気の家に台屋(遊郭用達の仕出屋)のすしを持ってくるな」と怒られることもあったという。
現代のようなお寿司の盛り方を「流し積み」と呼んだことや、それが避けられた経緯も今では考えられないですね。
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2、ふりがな付きの文を読んで、読み方を確認しましょう。
また、重要語彙の意味も確認しましょう。
(PDF2−3ページ目)
A25_05_05_2.pdf
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3、文を見ないで音声だけ聞き、文全体の意味を再確認しましょう。
4、クイズに答えましょう。
5、宿題を出しましょう。
今日の宿題:
あなたの国にも、昔と今で料理の見た目や「正式な食べ方」のようなものが大きく変わった料理はありますか。
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