月:【読解】ら抜き言葉にも一理ある #951
1、次の文を音読しましょう。
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ら抜き言葉にも一理ある
「ら抜き言葉」は可能の意味を表す「られる」を使うときに問題になることばです。例えば、「明日10時に駅前に来れる?」というように、「来られる」というべきところの「ら」を抜いて言う表現のこと。
このら抜き言葉は昭和初期から使われ始めたようで、長い間「日本語の乱れ」として槍玉に挙げられています。しかしその長年の批判にもかかわらず、ら抜き言葉は勢いを弱めるどころか、若年層を中心にますます使われるようになっています。
こうも使われるからには、それなりの理由があるはず。実は、ら抜き言葉にもそれなりの道理があり、合理的な側面を持っているからこそ使われ続けるのです。
ら抜き言葉の合理的なところの1つは、その発音のしやすさです。「ら」をきちんと入れた「食べられる」や「来られる」を口に出してみると、滑らかに言うのがなかなか難しく感じるのではないでしょうか。「られる」の箇所でラ行の発音が3つ続き、舌が追いつきません。そこで「食べれる」や「来れる」と1つ「ら」を抜くと、発音するのがずいぶん簡単になります。
おまけに曖昧さが減って意味が伝わりやすくなります。
例えば「これ、食べられますか」だけ言ったとき、以下の3通りの解釈があります。
・可能「これを私が食べることはできますか」
・受身「これはこの後他人に食べられてしまいますか」
・尊敬「これをあなたはお食べになりますか」
一方で、ら抜き言葉で「食べれますか」と言うと、可能の意味であると特定することができます。もちろん、「られる」のままでも、文脈や言い方からどの意味なのかを絞り込むことができ、困ることは少ないかもしれませんが、曖昧さに気を使う必要が減るのは確かです。
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2、ふりがな付きの文を読んで、読み方を確認しましょう。
また、重要語彙の意味も確認しましょう。
(PDF2−3ページ目)
3、文を見ないで音声だけ聞き、文全体の意味を再確認しましょう。
4、クイズに答えましょう。
↓クイズ全文(PDF)
5、宿題を出しましょう。
今日の宿題:
「ら抜き言葉」を知っていますか。知っていてもなお、よく使いますか。
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