木:【聴解】日本語には複数形がない!? #1049


1、次の音声を聞きましょう。


2、スクリプトを見ながらもう一度音声を聞き、語彙を確認しましょう。

時間があれば、先生の話し方をまねながら、音読もしてみましょう。

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<スクリプト>

こんにちは、ちか先生です。

今日も一緒に日本語や日本文化について考えていきましょう。

今日はですね、「複数形を使わない日本語」というお話をしていきたいと思います。

例えば、リンゴ、テレビ、消しゴム、こういった基本的な言葉ありますよね。

それも、日本語だったらリンゴが1個だろうと3個だろうと「リンゴ」っていうんです。

「リンゴたち」とは言いませんよね。

「たくさんのリンゴ」とも言いません。

文法としては「たくさんのリンゴ」とか「多くのリンゴ」と言っても構わないけど、じゃあネイティブが使うかって言ったら使わない。

ほとんど使わない。

消しゴムが1個だろうが10個だろうが「消しゴム」と言いますね。

でも、「たくさんの消しゴム」って言いたくなりません?皆さん。

でもネイティブは言わない、「消しゴム」って言います。

どうしても、この消しゴムが10個なんですよ、

例えばね、コンビニのアルバイトをしていて、「消しゴム10個入荷しました」っていうことを店長に言わなきゃいけないとか、

そういう時だったら「10個」って言いますけど、

そうじゃなければ「消しゴムがあった」っていうだけでいいんですよ。

10個だろうが1個だろうが、消しゴムがあった事実はそんな変わらないから。

日本語でネイティブ同士が話すときには、別にその消しゴムが何個あろうがあんまり気にならないっていうことですね。

人に関して言えば、例えば「友達」っていう言葉ありますよね。

これも、「友達」で複数人に見えるかもしれないですけど、「友達」っていうのは1人でも使えるんですよね、皆さんご存知の通り。

「あの人は私の友達です」って1人の友達、フレンドを紹介しても別に問題ないわけですね。

これは、元々は「友」っていう言葉だったんだけど、「たち」を使うことによって柔らかい言葉にしただけだから、この「たち」が複数形であるということではないんです。

だから、「友達」が1人の「a friend」だと考えてしまうと、友達が3人来たときに「友達たち」って言いたくなるんですよね。

でも、別に言わなくていいです。

「友達が来ました」。

1人だろうが3人だろうが10人だろうが、「友達が来ました」でいいんです、日本語の場合は。

皆さん、「たち」、今言った複数形イコール「たち」というものが、「~s」、例えば「friends」だったら、その最後の「s」が「たち」だと思うじゃないですか。

「昨日、おじさんたちがうちに来たんだ」と言ったとしましょう。

これはどういう意味になると思いますか。

これね、おじさんがたくさん来たという意味ではないんです。

おじさんとその家族のグループが来たという意味になるんですよ。

だから、「おじさんたちがうちに来た」って言ったら、

例えばよ、神戸のおじさんと山形のおじさんと札幌のおじさんが3人来ましたということではなく、

おじさん一家が来たっていうことになるんです。

だから、この「たち」とか、

あとちょっと堅い言葉で言うと「〜ら」、「本の著者ら」とかね、「タレントら」とか、の「ら」、この「ら」も「たち」と同じ意味ですけど、

これは単純にその人たちが複数というわけじゃなくて、その人を中心としたグループっていう意味になるんですね。

だから、英語の複数形イコール「たち」というわけではないんですよ。

でもね、なんで「たち」とかね「ら」を複数形というかというと、

近年ね、こうやって外国語を勉強したり、日本語を学んでもらったりするじゃないですか。

その時に言葉がないわけですよね。

日本語に複数形がないから。

「『friends』の『s』はなんて言えばいいんですか」っていうのを、やっぱり初級の段階ではイコールで教えないとちょっと困りますよね。

すごく深い概念を勉強したら、もう日本語勉強したくないってなるかもしれないので、簡単に教えますよね。

やっぱり初級の時には。

「なんで日本語に複数形ないんですか」っていうことになるじゃないですか。

名詞の捉え方が概念の捉え方になっている。

リンゴは、この「リンゴ」っていう名前を言ってるんじゃなくて、丸くて赤くて甘い果物っていう概念なんですよ。

それが1個か10個かは概念だから関係ないです。

「リンゴ」っていう概念なんですね。

形がないぼんやりしたものなんですよ。

だから、「リンゴを買った」って言ったら、リンゴっていう概念を買ってるから、別に1個かもしれないし、複数かもしれないけど、別にそれは関係ないんです。

リンゴっていうものを買ったっていうそれだけだから。

それが1個なのか3個なのか10個なのかっていうのが、話を進める上で必要なのであれば、言うんです。

「さっきね、リンゴ買ったんだよ。でもそれが3個で200円だったんだけど、うち2人しかいないから1個あげるよ」とかね。

これはね、個数がすごく重要じゃないですか。

その人に1個なぜあげるかっていうことを説明しなきゃいけないから、リンゴをいくつ買ったっていうことを言わなきゃいけないけど。

「昨日、リンゴ食べたんだよね。すごく甘くておいしかった、山形のリンゴだったんだけど」っていうのは、

別にそのリンゴをいくつ食べたか、あんまり必要ないですよね。

リンゴっていうその概念を食べてるだけなので。

そういう考え方をする言語なんですね。

概念の話をしているのに、1個か2個か3個かっていうことまで言うのは邪魔なんです、日本語で考えている時は。

だから英語でね、水は数えられないからどうのこうの、ジュースにしたら1本って数えられるからどうのこうのみたいなのあるじゃないですか。

これも日本語は水という概念だから、リンゴも水も一緒なんです。

それをベースに生きてきた日本語話者は、突然英語を学ぶときに「水は数えられませんから、これは『s』つけなくていいです」とか言われると、

「数えられないってどういうこと?」っていう風に思っちゃうんですよね。

だから、皆さんが日本語を話すときの違和感が、同時に日本人が英語を話すときの違和感になるっていうことですね。

これ、「たち」いるのかな、要らないのかなとかあまり考えずに、もうほとんど「たち」使わなくてもいいぐらいのレベル。

この「たち」は、「おじさんたち」のように、

おじさんが3人、おじさんが5人というわけじゃなくて、おじさんを中心としたグループっていう時に、「たち」を使うんだっていうのを覚えておいて、

日本人がどういう風に「たち」を使うのかっていうのを新たな目で見ていくと、もっとね、日本語を深く理解できるんじゃないかなと思います。

それでは、今日も聞いていただいてありがとうございました。

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3、話の内容について、クイズに答えましょう。

↓クイズ全文(PDF)

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4、宿題を出しましょう

今日の宿題:

日本語を使う時にこのような背景に気をつけながら話していましたか。


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